ServiceNow 製品に関する日本語の用語改善このナレッジベース記事は、ServiceNow Internationalization チーム により Washington DC リリースより実施されている、従来の ServiceNow 製品周りの用語の翻訳ルールを見直し改善するイニシアチブについての情報提供を目的としています。 製品をローカライズする際、同じものを指すのに毎回異なる表記を用いては混乱を来すため、用語の表記を統一することはユーザビリティの観点からも重要です。ServiceNow では、2019 年頃より以下のようなポリシーで製品 UI、製品ドキュメント、マーケティング資料、およびトレーニングコンテンツをローカライズしてきました。 製品、アプリ、プラグイン、サービスの名称は英語のままとする機能の名称については日本語に翻訳する しかしながら、用語のカテゴリーが不明確な状態で翻訳を進めざるを得ない状況などが頻発し、結果としてポリシーに沿わない表記となってしまうケースが生じ、整合性に欠ける状態となりました。また、英語のままになっている部分が多く、とっつきにくい、使いづらい、といったユーザーの皆様からのお声も多く頂戴しました。 改正後のルールは以下に詳述しますが、この変更により、英語が多用される製品に対する近寄り難さを払拭し、日本のユーザーの皆様が日本語で ServiceNow 製品を使用する際の全体的な使い勝手を改善できると考えています。また、ServiceNow Internationalization チームが日々行なっている日本語ローカライズテストと合わせて翻訳ポリシーを体系立てて見直し更新していくことで、ユーザビリティのさらなる向上へと繋げていきます。 下図はこの用語改善によって OOTB(Out of the Box)の日本語 UI がどのように変わるかを例示するものです。 図注:上図はイメージです。実際の製品とは異なる場合があります。 グローバルな用語改善 これまで英語のままとしていた ServiceNow の製品、アプリ、プラグイン、サービス名等の名称を、現地の言語に翻訳します。これまで ServiceNow の製品 UI や関連のコンテンツにおいて、用語の統一感に欠けていた問題を改善します。それぞれの地域の市場において、法的あるいは慣習的に英語表記が適切な場合は無理に翻訳せず英語表記を残します。例) ドイツ語では半数ほどの用語が英語名を保持します。カナダフランス語では大多数の用語が翻訳されます。 日本語の用語改善 日本語の用語翻訳の新ルール 日本のユーザーの方々にとって読みやすい表記となるよう、用語翻訳に関するこれまでのルールを見直して、下記のとおり新規ルールを設定しました。 これまでは、製品、アプリ、プラグイン、そしてサービス名は英語のままとしていましたが、今後は製品の機能性をそのまま表現している記述的な名称については基本的に日本語に翻訳します。 例) 従来のルールでは英語のままとしていたアプリ名 “Guided Set up” を「ガイド付きセットアップ」と翻訳 ServiceNow が商標登録した名称、サードパーティ製品の名称、法的縛りはないが製品ブランディングとして英語で浸透している名称については英語のまま保持します。 例 1) “App Engine Studio” は商標登録されていませんが、この英語名で浸透していますので、そのまま英語で表記します。 ソース: App Engine Studio 日本語: App Engine Studio 例 2) “IT Operations Management” も商標登録されていませんが、この英語名で浸透していますのでこのまま英語で表記し、なおかつ ”ITOM Health = ITOM ヘルス” などの関連複合語で略語が使われることがあるため略語を足します。 ソース: IT Operations Management 日本語: IT Operations Management (ITOM) ソースの一部が同じでも使用されるコンテキストによっては異なる訳語をあてるなど柔軟な対応を行います。 例) “Product” の訳語が漢字表記の場合とカタカナ表記の場合がありますが、それぞれのコンテキストで日本語としてよく使われている表記を採用します。 ソース: Product Catalog 日本語: 製品カタログ ソース: Product Operations 日本語: プロダクトオペレーション 日本語の用語改善実装タイムラインおよびボリューム 本用語改善イニシアチブにおいて、変更された用語が実装、および公開されるスケジュールは以下のとおりです。 Washington DC GA (General Availability):1000 語弱を Platform OOTB にて実装そして公開Washington DC パッチリリース:バグ修正と共に GA 公開後に変更された用語等について対応Xanadu リリース EA (Early Availability):1000 語以上を Platform OOTB にて実装そして公開Xanadu リリース GA:EA 公開時以降に追加された用語について対応 日本語の用語改善実装後のサポート 日本のお客様に向けたサポートの取り組み 用語改善に関するお知らせを各リリース時前後に ServiceNow Community ブログに投稿します。Vancouver より提供を開始したリリース間での用語変更の OOTB 差分リストを、今後も継続して提供します。各リリース時につき、1 つ前のリリース(N-1)、および 2 つ前のリリース(N-2)との差分リストに対応します。Washington DC リリースについては、以下の差分リストが公開されています。 KB1641967: OOTB 差分リスト- Washington Patch 3 vs Vancouver Patch 4KB1641966: OOTB 差分リスト- Washington Patch 3 vs Utah Patch 3KB1635407: OOTB 差分リスト- Washington Patch 1 (GA) vs Vancouver Patch 4KB1637214: OOTB 差分リスト- Washington Patch 1 (GA) vs Utah Patch 3 その他の考慮事項 Washington DC から変更になった日本語訳は、Washington DC にアップグレードした時点で適用されます。具体的にどの用語がどのように変更されるかについては、上記 KB の OOTB 差分リストでご確認いただけます。(特にフィルターナビゲーター内の用語の変更を確認したい場合は、KB からダウンロードできる差分リスト “comp_filter_navigator.xlsb” を参照してください。)すでにカスタマイズによって変更している日本語訳は、Washington DC にアップグレードする際に更新セットを適切に使用することにより、保持されます。Washington DC の OOTB での日本語訳の使用に支障があり旧来の訳語や英語に戻したい場合は、カスタマイズによる対応をしていただく必要があります。(カスタマイズはサポート対象外となります。) 今回のイニシアチブでは多くの用語変更を伴うため、見慣れた表記が変わってしまうなどユーザーの皆様には一時的にご不便をおかけすることになるかもしれません。しかし長い目で見た場合、既存の用語のみならず将来追加される用語についても整合性を保ち続けることができるという意味でも、ユーザビリティ向上のためには不可欠な改修であると確信しています。 今回の用語改善に関しての疑問点やご意見・ご要望につきましては、担当の ServiceNow 営業までご連絡ください。